オフショア開発の振り返り

歴史を顧みると2000年前後のオフショア開発と言えば日本国内では中国がその台頭でした。また、隣国である韓国ではインフラ環境の整備が比較的に進んでいて各種サービスやデジタル広告が盛んで目新しい製品やサービスの紹介など積極的に日本にアプローチをかけていました。

個人的な感覚ですが、今思い起こすとIT産業の本格的な到来はこの頃が最も隆盛だったのではないかと思います。一方、日本国内ではエンジニア不足が叫んでいて、インド、タイ等、人件費の安いアジアにオフショア先を求めていったのもこの頃です。そこでベトナムのオフショア企業が登場します。

ベトナム親日国だし人柄も感覚も日本人に近いという事で2005年前後には日本に進出するベトナムIT企業やベトナムに進出する日本のIT企業も増えてきました。人口構成比をみても若い年代が多く、新しい技術やサービスを学ぶ機会が多く、世界の新技術に通用するIT人材育成を実施しています。実は日本国内の企業は、中国、インド、韓国、タイ、などのオフショア会社になんとなく違和感を感じていた事もあったようで、よりベトナムとの距離を縮めていったのです。

今年は終わりの見えないコロナ禍がもたらした環境変化がますます激しくなっています。多くの企業が大きな打撃を受け、苦境に負ってしまうといったニュースが頻繁に流れてきます。この変化に順応しなければ企業は生き残れない時代になりました。

こんな状況の中、業務の効率化やコスト削減などを目的にIT導入する企業が増えていてシステム開発の需要も高まっています。人材不足でも上手く社外のリソースを活用すれば劇的な効果が期待できます。世界のフラット化が進んだため、世界中のあらゆる人と共同作業することができる時代になりましたので、社内にIT人材が居なければ、社外の信頼できるパートナーに任せるという形です。そこで技術力が高くて人件費が安価で進めるオフショア開発を検討する企業も多いです。これからオフショア開発市場規模がさらに広まるでしょう。